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適正なリハサービスの提供に向けて

更新日:2023年5月17日

総合事業部のPT谷村です。


先日、当社の新人研修プログラムで『介護予防と地域づくりのこれから』をテーマに講義する機会があり、そのときに色々考えることがあったので、その話をさせて頂きます。


 このテーマで講義をすることになり、


「今後、リハビリ業界ってどうなるんだろう…」


と、少しネガティブな気持ちになったのが率直な思いでした。


 介護予防は、近年頻繁に取り上げられるテーマであり、リハビリ業界の人間であればどれくらい重要かも理解していると思います。


しかし、総合事業部として、堺市の委託事業である健康体操教室の入札事業について調べていましたが、落札どころか入札している企業は、すべてフィットネス関連企業でした。


その他の介護予防・健康増進事業に関しても、多くがフィットネスや柔道整復師関連の企業でした。


この現状がすべてというわけではないと思いますが、介護予防の重要性をよく理解できている反面、我々のような看護リハビリ業界からの参入は難しい現状があります。



さて、皆さんは2024年に予定される医療報酬と介護報酬の同時改定はご存知でしょうか。


最近、要支援者の介護サービスに対して、適正化を図る行政の動きがあります。


1年間以上サービスを利用している場合は減算が生じることや、要介護1・2が現在の要支援と同様のサービスに移行していくなど、費用対効果やアウトカム評価の徹底、PDCAサイクルを回してサービスの終了・卒業を客観的な指標のもとで、促す動きが大きくなりつつあります。


 医療保険や介護保険の社会保障下で、養成校からの就職だと、他業種に比較すると高い就職率であり、『手に職』という進路決定の大きな理由で、将来安泰な職業と思っている人も多いのではないでしょうか。


実際、私も元々このように思っていましたし、一般企業と違ってリストラなども滅多に起こることがないと思っていました。


しかしここ最近では、リストラや事業所の倒産、学生の供給過多のため医療系養成校の閉校なども起こり始めています。


それでも皆さんは「リハビリ業界は安泰」と思えるでしょうか。


行政は、介護予防を促進し、医療費・介護給付費の削減や、介護サービスの適正化を図ろうとしています。


「サービスを適切に提供しないと、リハビリ業界に割く国家予算は減らしていく」

という最後通告かのような行政の動向に合わせて、私たちも仕事の仕方をその都度見直しし続けなければなりません。


例えば、以下のような取り組みが必要でしょう。


· 加算を算定できる仕組みと職場づくり、担い手づくり

· 関連学会などで実践報告し、成果や課題を検証する

· リハビリの目標設定や評価指標を客観的にする(数値や自立度など)

· 要支援の利用者に対する定期的な評価と目標設定と、1年以内でサービスを終了させるという意識づくり

· サービス終了後に移行する地域の取り組みを把握する(いきいきサロン、健康体操教室、自主グループなど)


 この中のサービス終了・卒業についてあげると、


「いやいや、長い間介護サービスを続けている人を終了や卒業に向かってもらうのは難しいでしょ…」


と、違和感のような、モヤモヤを感じる人もいるかもしれません。


そのように感じる人には、それは違うんじゃないかと私は伝えると思います。


これは行政の方針でもあります。


そして、努力ではなく、わたしたちの仕事に課せられた義務でもあるのです。


何より、リハビリ業界が今までサービス終了・卒業を意識したかかわりができていないと行政に判断された結果でしょう。


ただ、リハビリ業界の今までのやり方すべてが間違っていたわけではありません。


しかし、もうそろそろ

「適正なリハビリサービスの提供とは何か?」

に、本気で向き合わなければならないと思います。


それができなければ、請求が減算され、給料が下がり、リストラや倒産が起こり、最終的にこの業界が廃れていく可能性もあります。


色々偉そうなことを言いましたが、これはすごく重要なことです。


適切にPDCAサイクルを回し、アウトカム評価を徹底し、エビデンスや地域資源を把握し、客観的に具体的な目標設定を行ない、適正な期間でサービスを卒業できるように促す。


利用者様の『らしく活きるを応援する』ことで、介護度を下げる。


これを、ほんの少しずつでも頑張って、弊社だけでなく、リハビリ業界全体の質の改善を図りましょう。


そして、各々の得意や強みを活かして、自分たち自身の働ける可能性を拡げて、職域の拡大を目指しましょう。

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