珍しい、ふたごの卵だと思ったら。
3個中、2個がふたごでした。
何かいいことありそうですね。
ST水野です。
ある失語症の利用者さん、あいさつの練習を訪問開始時から続けてきました。
現在は
会ったときに「おはようございます」
終わるときに「ありがとうございます」
別れ際に「さようなら」
こちらからの促しがなくとも言えるようになりました。
以前より丁寧な言い方です。
「いただきます」「ごちそうさま」も練習中。
私が言うフレーズを真似する練習では、真似できる長さや内容が変わってきました。
練習の様子を聴いていた、奥様が言われました。
「練習ではだいぶ言えるのにね、主人は、先生が来ているときしかしゃべりません」
「『おはよう』はゆうてくれるけど、それ以外は全然ないです、『ありがとう』もない」
ありがとう、言ってないんですね…。
いつもすごく上手に言えるのに、残念です。
休憩のために奥様がお茶を持ってきてくださった、タイミング。
今ですよ、今がありがとうを言うときです。
利用者さんは気まずそうな表情でお茶を飲みました。
ありがとう、言いましょう。
口を開こうとしない利用者さんの顔をじっと見て、無言の圧力をかけました。
「ありがとう」利用者さんの口から出たものの、視線はそっぽを向いたまま。
ここに奥様がいらっしゃるんですから、きちんと顔を見て言いましょう。
「ありがとう」奥様を見て、照れくさそうに利用者さんが言いました。
「どういたしまして」奥様はにっこりして返してくれました。
他にどんなことばが言えたらいいですか。
奥様に聞いてみました。
「飲みたいものとか、お昼に食べたいものとかかな」
自分から何が食べたいか言うことは、現状難しいです。
選択肢のなかから選んでもらう形にしましょうか。
いつも飲んでいるもの、お昼に食べているものを教えていただきました。
飲み物は「コーヒー お茶 水」
お昼は「ラーメン スパゲッティ カレー」
イラストを指差しできるような紙をつくり、「コーヒー?お茶?」と聞かれたときに選択して復唱で答えられるように練習を開始。
音読も少しできるので文字も手掛かりになればと添えました。
先週訪問したとき、奥様に言われました。
「最近は『いただきます』『ごちそうさま』を私がゆうたらゆいます。自分ではゆえへんけど」
それです! それでいいんですよ。
練習で言えることと、日常で言えるようになることのあいだには、高い高い山がありますね。
ご本人やご家族から情報収集をしながら、できるだけ日常で使いやすい、ことばを練習していきたいと思います。
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