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  • 執筆者の写真info8276777

これはムセではありません

近所の遊歩道の生垣にとてもいい香りがする白い花が咲いています。

調べると「クチナシ」のようです。


保育園にむかう子どもと嗅いで「いいにおい!」とするのがこの時季の楽しみです。

ST水野です。



先月訪問開始した利用者さん、主訴は「食事のムセ」


高齢ご夫婦の世帯で、妻が「ムセが多い」と心配して主治医に相談し、STをご紹介いただいたケースです。


初回訪問時、ムセの様子をうかがいました。

食事でのムセが多い、何にムセるとか、どういうときにムセるとかはわからないとのこと。

水分摂取は良好でした。


後日、食事の様子を見せていただくことに。




利用者さんの自歯は数本、義歯もないため、やわらかいものが中心です。


「いつも通りに食べてください」と声をかけると、ご本人はテレビをつけて見ながら食べ始めました。

少し離れて横から見守りました。


歯茎で咀嚼をして、嚥下している。

「んん、んん」と咳払いをされるのは、のどに食べ物が残るからかな。

ときどきスープを飲んでいるのがいい、スープでクリアしているみたい。


「ずっとムセてるでしょう?」いっしょに見守っていた奥様が言われました。

「ムセて…ますか?」私がたずね返します。

「しょっちゅう、『んん、んん』ばっかりやっていますよ。ムセとは違うんですか?」

「そうですね。ムセというより咳払いですね」


私たちのやりとりが気になった様子のご本人が箸を止めたので、たずねました。

「のどに食べ物が残る感じがしませんか?」

「残っているのはよくわからん、どっちかいうとのどが詰まってる感じがする」

「なるほど。詰まっているから、のどを『んん』と咳払いしているんですね?」

「そうやな」


利用者さんの場合、何らかの理由で食物がのどに残りやすい状態にあり、それを感じるため、咳払いをされます。

のどに痰があるときなどのどに違和感を覚えると、自然に咳払いをするのと同じです。

ムセは気管に食べ物などが入りかけたり、入ったりしたときにそれを出そうとする働き。

咳払いとムセはそういう点が違います。


奥様は説明に納得された様子でした。

食事を終えた利用者さんにも説明をして、大きく咳払いを促しました。

咳払いのあと「ちょっとのどがすっきりしたような気がする」。

のどの詰まりを防ぐために、食事中、食後に水分を積極的に摂ること、食後にも咳払いを大きくすることをお伝えしました。


根本の問題は、咽頭残留の多さですね。

それを改善するための練習を軸に、咳払いを十分に行うための呼吸・発声練習を合わせて行っていこうと方針が決まりました。

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