ともに行う訪問介護事業所の介護福祉士・作業療法士・調理師いとうです。
身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"のマンスリー報告です。
利用者さまは右手首骨折による手指の拘縮と古い既往歴として頭部外傷による記憶障害など高次脳機能障害の残存、腰椎圧迫骨折による腰痛や頸部痛があります。
身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"では、訪問リハビリテーションと連携し、安全に包丁使用しての料理や肉類や野菜などの生鮮食料品の買い物、賞味期限の管理、小分け冷凍保管などのサポートを続けています。
3月から大幅なケアプランの変更・訪問介護の追加がありました。
訪問介護は週1回から週2回となり、掃除と整理整頓を、身体介護の見守り的援助にて自立支援を追加サポートすることになりました。
掃除と整理整頓をサポートする上で、まず気になっていたのは介護ベッド上とベッドサイド周りに雑誌や新聞紙、チラシ、本、書類、郵便物が、あちこちに積まれた状態でした。
「どこにいったかなァ…」
と、いつも書類を探す時の利用者様の姿がありました。
2020年1月に洗濯機から洗濯物を取る際に受傷した腰椎圧迫骨折。
その3ヶ月後の4月に退院してから、食卓も撤去され居間に設置されたのがレンタルの介護ベッドでした。
安全安楽に寝起きできるようになった反面、一日の生活の場所が、居間の介護ベッド上とベッドサイドが圧倒的に多くなってしまいました。
食事もベッド上で、という具合いになっていました。
利用者様の障がい特性や性格に合わせたご自分でやりやすくなる掃除や整理整頓とはどんなものなのか?
かなり考えましたが、なかなか良案が出てきませんでした。
そこで今回、利用者様と相談して、まずは生活の場所の見直しをしてみましょうということで、撤去していた食卓をダイニングに再設置していただきました。
そして、大きく3つ(①電話やガスなどの水道光熱費②市役所や保険関連③趣味や仕事関連)に分類した書類保管棚を食卓の隅に設置させていただきました。
チラシなど廃棄の判断がしやすいものを先ずは廃棄し、判断に迷うものは書類保管棚に一旦保管してもらうことを確認しました。
書類保管棚に保管した書類の廃棄判断は、ご家族と行なうことも確認しました。
それから2〜3週間も経過すると、
「できることは自分でやらないとねェ」
と、ご自分で掃除機をかけるようになられました。
「少し整理しやすくなったみたい」
と、再設置した食卓の椅子に座って、書類保管棚の書類を取り出して整理整頓をされ、ダイニングにある食卓が書斎のようになっていました。
「忘れずに出せたよゥ」
新聞紙や段ボールの収集日を、繰り返して告知して、廃棄しやすいように一緒に玄関前に整理すると、忘れずに廃棄処分できるようになっておられました。
今までたくさんの書類や雑誌、新聞紙などを見ると、高次脳機能障害の影響のためか、うーん…と頭が真っ白になるようでした。
それが部屋の中が少しずつ少しずつきれいに整理されてくると、ご本人も整理整頓に向けて動きやすくなるようです。
ベッドがある居間はテレビもあって寝る場所でくつろぐ場所に。
ダイニングでは、食事を作って食べる場所で、書斎風に書類を確認、整理する場所に。
生活の場所の見直しが今のところ功を奏しているようです。
まだまだ課題が山積みですが、共に行う家事(料理・買い物・掃除・整理整頓)にて、自立生活支援を続けさせていただきます。
ともに行う訪問介護事業所は、アクティブリハビリテーションクリニックの訪問リハビリテーションや他訪問介護事業所と連携し、身体介護による見守り的援助、生活リハビリで利用者様の重度化予防、QOL向上、自立生活支援をサポートします。
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