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キャリアインタビュー 作業療法士井上さん 利用者様にとって何でも話すことができるような療法士に

1.今の仕事に至ったきっかけ、経緯、転職のこと、転機のこと、キャリアを振り返ると…

 高校卒業時に、人に直接関わる仕事がしたい、手に職をつけたいと思い、作業療法士の仕事に就くことを志望して四条畷学園大学に入学しました。

 医療系の仕事を志望するようになった大きなきっかけは、父が経営しているビルメンテナンス会社の清掃業務のアルバイト経験が大きかったように思います。清掃の仕事では、人と接することや直接的に人から感謝されたりすることも少なく、父からも「大変な仕事やぞ」とよく話しに聞いていました。そのようなこともあり、自然と人に関わる仕事を志望するようになったのかなと思います。

 大学4年の時に、臨床実習で2ヶ月お世話になったのがアクティブ訪問看護ステーション大阪、アクティブデイサービスリハカフェ今里でした。上司や先輩の方々の雰囲気が明るく、楽しく、優しく様々なことを教えて下さったことを今でも覚えています。それをきっかけに「ここに就職したいな」と思うようになりました。

その前の臨床実習先では、自信をもっていたはずのコミュニケーションがうまくいかず、指導者の方との関係づくりに失敗した苦い経験がありました。そんな自分の経験も活かして、新人さんに向けて様々なことを発信していければと思っています。今の職場では、優しく、時には厳しく教えて下さる上司、先輩方ばかりなので、自分が後輩に指導する時もこのようになれたらなと学ばせて頂いております。


2.今の仕事、働き方

 訪問リハビリ業務を中心に働かせて頂いております。デイサービスでの勤務は週0.5日勤務しています。今年度は新人さんのバイザーとして、指導役相談役を担わせていただいています。


3.仕事での苦労、醍醐味

 やはり対人コミュニケーションですね...苦労も醍醐味もそこにあると思っています。

 利用者様のことを理解でき、信頼関係を築け、楽しくリハビリテーションすることができればとても楽しいと今も感じます。

 人を理解するということは難しいですが、今後もリハビリテーションの仕事を続けながらリハビリはもちろん、コミュニケーションについても突き詰めていくことができればいいなと考えています。


4.仕事の魅力、やりがい

 世の中に様々な職業があるなかで、利用者様の生活を知り、身体的・精神的・環境的に深く関わり、それらをより良くしていくということは、この職業にしかできないことかと思います。そこに大きく魅力を感じます。そして何より利用者様にリハビリテーションを提供し喜んでもらえるということが、とても嬉しく、やりがいを感じます。


5.仕事をしていくうえで大切にしていること、心がけていること、座右の銘やモットーなど

 ①相手が何を考えているか、何をしてほしいかを聞き出して、自分ができる限りのことをする

 ②会話をしないと聴取できないことがほとんどなので、多くの会話を重ねる

 ③信頼関係を築いていくために、相手のことを知る。自分に興味をもって下さっていれば、自分のことも話す

 ④リハビリテーションのアプローチ方法や強度など、患者様と話しながらどれが合うかを一緒に探しながら実施していく

  ※認知症や失語症などの方の場合は、ご家族からの聴き取りが欠かせないです


6.家庭、育児と仕事の両立の秘訣は?

 正直、両立ができている自信はありません...(笑)

 家事は妻と役割分担をしています。妻のほうがやることがどうしても多くなってしまうため、もう少しサポートできればと思います...

 一日の中で仕事があるとどうしても子どもと過ごす時間が短いので、帰宅すればできるだけ多く話すことを心がけて、たくさん遊ぶようにしています!

やってはいけないこともやる時はあるので、娘はもうすぐ4歳になるので、やってはいけない理由を話して、注意するようにしています。その後は、遊びます!

休みの日は、公園や遊園地、ショッピングモールなど毎週行くようにしています!


7. わたしの事業所自慢

 私はアクティブ大阪(今里)で働いていますが、本当に皆さん優しく気楽にコミュニケーションがとれる環境であると思います。

相談事などは中原さん(大阪法人統括)や河井さん(大阪法人主任)が親身になって聞いて下さるので、働きやすい環境だと思います!


8.わたしの療法士像

 利用者様にとって何でも話すことができるような療法士を目指しています。気楽に話すことができる関係性になれば、不安や不満、もちろん満足したことも聞くことができるので、今後のリハビリテーションをお互いが気持ちよく続けられるのではないかと考えます。心をひらいて正直に話して頂けるようになるのも、療法士のスキルだと考えます。身体面・精神面など細かいところに目を向けながら、利用者様と日々向き合うように努力を続けていきます。


9.入職前にイメージしていたやりたかった仕事はできているか

 できるだけ多く訪問リハビリに行きたい!との思いがあったので、その思いは実現できていると思います。今はやってみたいことも出てきたので、訪問を回りながら、様々なことに挑戦し、レベルアップすることができればなと考えます。


10.これから仕事でチャレンジしたいこと

 2024年3月でのアクティブ学会で発表させて頂いたコミュニケーションについての勉強会などを今後、新人さんに向けて少しずつでもできればいいなと考えております。自分が経験したコミュニケーションについてはもちろん、他の先輩方の経験談もお聞きして、新人さんに近い年代の自分からかみ砕いて伝えることが、これからの訪問リハビリ業務やデイサービス業務に活かせるのではないかと思ったのがきっかけです。


11.わたしのアクティブ自慢

 訪問に興味がある方は是非!!!

 皆さん優しく、働きやすい環境だと思いますので、どんな方でも大歓迎です!


12.親しい人に職場を勧めたくなりますか

 訪問に興味があってバイクの運転など苦手じゃなければおすすめしたいです!

どなたでも大歓迎です!


13.療法士人生を左右したもしくは、影響を与えた運命の人、言葉、一冊、出来事

 【失敗は成功のもと】ということわざが昔から今の自分の中でずっと心の中にあります。私自身も多くの失敗を重ねてきました。その失敗があるからこそ、学ぶことができ、今の自分があると思います。失敗から次につなげて成功することが多くあったため、人は失敗しないと理解できないことも多いなと改めて感じました。今後も、失敗したことを活かせるように頑張っていきたいと考えます。

 【生きることとはどういうことか?】父からよく聞かれたことです。父とは子どもの頃から哲学的な話しをすることが多くありました。学校生活では表面的な友だち付き合いや話しが多くて、友人とは深く込み入った話しはできていませんでした。父のおかげで、子どもの頃から深く考える習慣がついていたように思います。


14.これがなければ生きていけない

 もちろん妻と子どもたちです。

妻には毎日感謝の連続です。子どもたちは人生において最大の宝ものです。≪子に勝る宝なし≫


15.マイブームは?趣味、関心ごとなど

 休日に子どもたちと遊園地や公園、ショッピングモールなどに行くことです!

子どもたちはここに行ったら喜んでくれるだろうな。どんな物を買えば喜んでくれるだろう。誕生日はどう過ごしてあげようかなどと考えるのが楽しいです!


16.ご自身のことで、ここ最近で起こった大きなことは?

 5月が息子の2歳の誕生日なのですが、その日が来るまでは、「どこにいこう」「なにしてあげよう」「ケーキはこれでいいかな」など考えます。誕生日の当日も楽しいのですが、誕生日の日の寝かしつけの時間になると、ふと寂しくなります。自分自身今まで寂しいと思うことが人生で少なかったので、娘と息子の誕生日が終わる時にはとても寂しいと感じるようになりました。

というのが最近大きく揺らぐ自分の感情です(笑)


 井上 愛希(よしき)さん 略歴 

2018年3月四條畷学園大学作業療法学部卒業

大阪出身、妻、4歳、2歳のお子さんの4人暮らし

訪問リハビリテーション業務を中心に入社7年目。強味でもある親しみやすい雰囲気とコミュニケーションで利用者様、ご家族からの信頼も厚い井上さんです


■キャリアインタビューを終えての感想■

大阪事業所まで来て頂いてのインタビューをありがとうございました。伊藤さんとのお話しが楽しく、とても勉強になったことが正直な感想です。丁寧にまとめて頂きましてありがとうございます。このキャリアインタビューを通して、自分自身を見つめ直す時間にもなりました。今後も自分自身のスキルアップを目指していきながら、新人さんに向けて経験談を伝えていくことができればと思います。貴重なお時間を頂きありがとうございました。


■キャリアインタビュー記事編集担当より■

 井上さんからは、「新人さんのために…」「会社のために…」という言葉がたびたび聞かれました。会社や組織への高い貢献欲やその熱意といわれるエンゲージメント※1が高い状態にあると感じました。エンゲージメントが高い状態で働くことができれば、働きやすくなり、やりがいも増してその結果、仕事でより高い成果も達成できるとされています。しかし2017年のアメリカの民間調査会社ギャラップ社の調査によると日本は132位、仕事にエンゲージしている人(熱意ある社員)は約6%(世界平均約20%)しかいないことがわかっています。

 なぜ井上さんはエンゲージメントが高いのか?その理由は自分で仕事を手作りする感じで、よりよい形や中身に作り変えるというジョブ・クラフティング※2を試みているからではないかと思いました。子どもの頃からのお父さんによる哲学的な問いかけの好影響もきっとあるでしょう。井上さんは職場の誰かから頼まれた訳でもないのに、自らコミュニケーションに関する問いや課題意識を持ち、配属されている事業所にて職員向けのアンケート調査をし、その結果を今年3月の社内学会でも発表しました。自分にできることは何か?と創意工夫をしながら、コミュニケーションを良くすればリハビリテーションの成果もさらに変わってくると信じ、現在も新人さんに向けての取り組みを進めている井上さんです。今年度より着任した新人さんのバイザーとしても、広報室メンバーとしても弊社を担う貴重な人材でこれからのご活躍が楽しみです!


 ※1婚約指輪をエンゲージメントリングともいわれるように、エンゲージには「結びつき」という意味がある

 ※2ジョブ・クラフティングが内的報酬(精神的な充足感や幸福感)につながり、エンゲージメントへと導く。ジョブ・クラフティングが変化させるものは①仕事そのものを創意工夫する②人との関係を築く③仕事の捉え方を変え、意味や意義を見出す、この三つと言われている

「人事のためのジョブ・クラフティング入門」斎藤亮三他、弘文堂、2021年より


キャリアインタビュー記事編集担当

発掘あるある広報室 伊藤健次郎

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