どうも。 実務者研修担当講師の室之園です。
5/10に第11回スクーリングが行われました。
テーマは前回に引き続き『アセスメント講習・介護計画立案』となります。
受講生の皆さんと一緒に意見交換、相談し合うのは今回が最後となります。
今月のトップバッターは今里事業所の本田さん(介護職)。
これまで入浴付きデイサービスを利用していましたが、これからは自宅で入りたいとの希望がでてきたそうです。
ただ以前から相談があったトイレの失敗は続いており、いまだに下着やズボンの履き替えを要する状況にあるそうです。
先月の急激なライフイベントの変化に対応できていないためか活動量が減ったことでデイ利用日を忘れてしまうなどの記憶の低下。むくみから体重も増加傾向にあるそうです。
本田さんからは1日のトイレ状況を記録し、間に合っていない時間帯を把握していきながら早めにトイレに行くようにするという提案がありました。
また記憶面に対しては送迎時にご本人が自宅でよく目にするカレンダーに記載していくという介護計画を立案していました。
続いては吹田事業所の濵岡さん(介護職)。
難聴によりうまくコミュニケーションを図ることができない方への介護計画に大変難渋していました。
趣味の編み物や料理を通して先生役になってもらう、という案もでましたが、思ったことをハッキリとおっしゃる性格のため過去に少し揉めてしまったことがあるそうです。
しかし思ったことをズバッとおっしゃるこの方ととても相性の良いお友達がいるという貴重な情報をいただき、その方との関係性を十分に活かした介護を考えていくのはどうかという話になりました。
これまで濱岡さんは「この方が今よりももっと素晴らしい人生を送っていただくにはどうすれば良いか」というプラスの方向に向かっていく視点を強く持っていました。
この視点は大変素晴らしいですし、間違っていないと思います。
私が思う介護は全てプラスに向かう考えだけでなく、『マイナスをいかにゼロまで戻すか』という考えも必要ではないかと感じています。
この方がたとえいま深い人間関係を構築できなかったとしても、どんな方と関わってもトラブルが起きないような生活を送ることができれば、それはとてもスゴイことだと思っています。
続いては松原事業所の田畑さん(作業療法士)
眠れない、という課題はまだ改善していませんが、田畑さんの周りを巻き込む明るい性格を活かし、運動機会がさらに増してきているそうです。
またこの方の趣味である『歌唱』もリハビリの時間を活用し、田畑さんにしかできない声かけで見事カラオケ活動に変えてみせるという素晴らしい介護を実践していました。
田畑さん自身が良い介護を実践できているため、今度は田畑さんがこの方と関わる際の言動一つ一つを自己分析していき、田畑さん以外の職員がどのような声かけ、立ち居振る舞いをすれば同じ(似た)ような介護を実践することができるのか考えてもらうよう伝えました。
最後は泉北事業所の中山さん(理学療法士)。
本田さん、濱岡さん、田畑さんが徐々に介護計画を進めていっておられることにとても焦っている様子でした笑
皆さんの介護計画を聞きつつ、猛烈な追い込みでご自分の担当利用者さんの介護計画を進めておられました。
このあたりの爆発的な集中力は彼はピカイチだと感じます(夏休みの宿題を最終日に取り掛かっていたタイプでしょうか…)。
色々な場所へ出かけたい、という強い思いがあるもののパーキンソン病という難病により思うように体調管理することができないでいます。
中山さんは『疲労感』を一つの指標にし、何をすれば疲れるのか。どんな日は疲れないのか、等この方の一ヶ月、一週間、一日、一時間と生活をより細かく分析していくことに決めました。
長距離を歩くと疲れる、であれば具体的に何分までなら大丈夫なのか。
休憩はどれくらいとれば回復するのか。
気圧の変化に影響はないか?
雨降りの前後は?
睡眠時間は?
夜中のトイレの回数は?
ベッドに寝ている時間は?
デイでの運動量は適切か?
etc…。
考えていけばいくらでもでてくると思います。
そのなかから条件の良い事柄を見つけていくことができれば、そのタイミングに合わせて外出をすることができるのではないかという介護計画に至りました。
私たち介護職は決して病気を治すことはできませんが、生活を変化させることはできます。
なぜなら介護職は生活の専門家であるからです。
以上です。
皆さんの介護過程の展開がいよいよ終盤に差し掛かっており、「あぁもうこのメンバーでの研修もそろそろ終わりなんだなぁ」と少し寂しい思いもあります。
2023年度の研修は次回6/14が最後になります。
最後は『介護計画発表見学会』というテーマとなっており、次年度受講希望者も見学参加する形となります。
※6/14金曜日14時〜松原カフェにて、参加者募集中です
1年間で積み重ねた介護の視点や知識の集大成を発表会という形に変えて披露してもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Comments