嚥下食試食会
- info8276777
- 2023年2月24日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年5月17日
こんにちは!東成STの城です。
梅の花が咲いてきており、少しづつ寒さが和らいできていますね。
私はバイク通勤のため、春を待ち遠しく感じているこの頃です。
今回、金井STの提案により、嚥下食の試食会をデイスタッフとSTで行ったのでご報告させていただきます。
今回の試食品は、
①トロミ入りコーラ
②やわらかふく餅
③摂食嚥下和菓子(水羊羹、わらび餅、みたらし団子)
の3品です。
① トロミ入りコーラ

近年の研究で嚥下反射を改善・促通する効果があるのではと注目されており、炭酸飲料専用のトロミ剤も販売されている程です。
作り方は簡単で、
炭酸飲料のペットボトルに勢いよくトロミ剤を1袋を入れ、キャップを閉め振るだけ。(今回は「つるりんこ3g」を使用)
後は冷蔵庫で一日寝かして完成です。
作ってはみたものの、私も半信半疑。
デイスタッフからも「シュワシュワせんやろ~」「美味しくなさそう~」との声が聞かれていました。
いざ試飲!!
…………あ、シュワシュワしてる!けっこう美味しい!
トロミの粘土はとんかつソース程度のもの。炭酸感は少し弱くなっているものの、ちゃんとシュワシュワしています。
「炭酸が苦手な人も飲めそう」「こっちのほうが飲みやすいかも」「ちゃんとゲップが出る」との声も聞かれました。
夏の水分摂取にもってこいかもしれません。
②やわらかふく餅
STは年末に近づくと嚥下障害のある方には餅の危険性を説明し、食べないように促します。
でも実際、年明けに訪問に行くと「お餅食べちゃった。てへっ」みたいな事も結構あるんです。
なんでも禁止するのは簡単ですが、なにか替わりになる物を探し、提案する事もSTの役割ではないかと感じます。
嚥下食のお餅も色々な種類がありますが、今回はやわらかふく餅を試食しました。

まず調理!!
普段、調理をあまりしていないST男性陣…。(意欲はあるけど…)
デイ女性スタッフの中川さん、豊澤さんに助けられながら完成です。
普通のお餅と調理方法が同じのようですが、今回は「煮る」でトライしました。
嚥下食コード4レベル相当で、容易に噛める硬さでした。
普通のお餅と比べ、喉に張り付く感じは少なく、咽頭への送り込みも容易です。
「噛んでいるとお餅の風味が出てくる」との声も。
調理の工夫や味付けで十分美味しく食べられそうです。
③ 摂食嚥下和菓子

私は20歳代までは生粋の洋菓子派でしたが、今ではすっかり和菓子派になりました。
しかし和菓子は、餅や団子のように口の中で張り付きやすい物、きな粉や抹茶のようにばらつき易い物が多く、嚥下障害のある方にはなかなか勧めにくいんです。
今回は「水羊羹・わらび餅・みたらし団子」の3種を用意しました。
嚥下食コードは2相当だそうで、噛まなくてよいレベルです。
皆さんの感想をまとめてみます。
水羊羹(上記写真、右上)
見た目:普通の羊羹と違いない
味:「普通に美味しい。」
柔らかさ:食べやすい
わらび餅(上記写真、下)
見た目:違和感もなく良い感じ
味:「わらび餅の味が凝縮されている。味もまずまず。」
柔らかさ:食べやすい
みたらし団子(上記写真、左上)
見た目:かかっているアンが分離してしまう。
味:「みたらし団子の風味が感じられる。」
柔らかさ:分離したあんが少し気になる
飲み込みやすい柔らかさで、安心して和菓子を勧められそうです。
●総括
今回、私は初めて嚥下食試食会に参加させて頂きました。
嚥下食コードにある「歯茎でつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」などの指標を知識として理解はしていても、
「具体的にどの程度の柔らかさなのか」「どのような食感なのか」
ということは実際に食べてから初めてちゃんと理解できると思いました。
食事は五感の全てが使われています。
食べ物の形を「見て」、匂いを「嗅いで」、口の中で食べ物に「触れ」、咀嚼音を「聴き」、おいしさを「味わう」。
さらに食事場面での「会話」も大切です。
「美味しい」と感じることの背景にはこれだけ多くの要素が関係しているのです。
知識として「知る」ことも大切ですが、身体を通して「体験する」ことで、食事場面を「イメージ」できるような最も深い理解に繋がるとおもいました。
これからも積極的に試食会を開催し、参加したいと思っています。
最後までお読みくださってありがとうございました。
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