スリッパ チューリップ が言えない

Youtubeでたまたま見かけてずっと食べてみたかったクレープ。

生クリームとずんだ、クリームチーズのトッピングです。

1時間以上並んだかいがある大満足のおいしさでした。

ST水野です。

失語症の利用者さん、音を正確に出す練習をしてきました。

母音、マ行は比較的早期に確実に出せるようになりました。

口唇を使う音はマ行で固定化してしまい、意図的にパ行、バ行を出すことが難しい状態が長く続きました。

パ行、バ行が単語中に含まれる場合には、偶発的に出せることはあっても、意図すると、単音、単語でも出すことができません。

口唇の動きを見せても、強い破裂を表すために口唇の横で閉じた手指を早く開くなどの運動をつけても無理でした。

１か月ほど前から、急にパ行、バ行が出せるように。

出せるようになった要因が何だったのか、正直よくわかりません。

「えんぴつ」「キャベツ」「オートバイ」など語中がまず出せてきました。

次に語頭「ペンギン」「パン」「プール」なども。

語尾の「スープ」「コップ」は出るのになぜか「スリッパ」「チューリップ」は出ない。

「スリッパ」→「スリッカ」、「チューリップ」→「チューリック」と奥舌音に置換します。

強い破裂を作ろうとすると、奥舌の緊張が高まるようでした。

口唇で破裂を作るために「スリッ」「チューリッ」で止めて、口唇を閉鎖する練習をしました。

わざとらしく、おおげさに口唇を閉鎖して止めます。

閉鎖のあと、間をおくと単音で「プ」を出すことはできます。

1ヶ月くらいすると、ご自身でコントロールできるようになり、意図して「スリッパ」「チューリップ」と出せるようになってきました。

週ごとに成功率は上がって、現在の成功率は半々程度。

まだ相当に意識を向けないと奥舌音に代わってしまいます。

最近は正しく出せなかったときは「違う」と首をふって、言い直す様子が見られます。

単語だけでなく、となえうたでの練習も並行しています。

「やっぱりね　やっぱりね　うん　やっぱりね」

「いっぱい　いっぱい　おなか　いっぱい」

「しっぱいした　しっぱいした　あーあ　しっぱいした」

「ハッピーだ　ハッピーだ　きょうは　ハッピーだ」

「いっぴき　いっぴき　もう　いっぴき」

少しずつ正確性が向上中です。

失語症を発症して10年以上。

訪問で言語リハビリを始めて4年半、まだ変わる余地があるのだと思うと、失語症の奥深さを感じます。